さらら 風が吹いて  君の姿消えた


by nozaki-kaoru
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会社で女房の話をするな

社内恋愛をすでにしてしまった男に告ぐ。会社で女房の話をするな。それは非常にミットモナイ。なぜなら、キミ以上に奥さんにくわしい人が社内にいるかもしれないのだから。

                   山口瞳「人生の楽しみ見つけたり」



・突然ですが、今回からちょっとしたエッセーみたいなものを書いていこうかなと思います。普段暇つぶしに本を読んでいるんですが、インプットばかりしていてるのが原因なのか、どうも読んだ内容が消化不良しやすい。
読んですぐ人に話した内容は頭に残っていることが多いのですが、もっと頭に残る方法はないかと感じていました。そこで考えたのが、今まで読んだ本の内容を自分の意見を絡めてエッセーとしてブログに書いていくということです。
文章にすることを通して、頭の中の知識は整理されます。さらに「なんとなく知ってる」から「説明できる」というレベルまでもっていけるようになると考えています。
テーマは一々選ぶのがめんどくさいから、五十音順にやっていきます。

今回のテーマは「あ」で始まる「安倍晋三」。


「あ」→『安倍晋三』

映画「三丁目の夕日」が大好きな安倍首相。彼の言う「美しい国」はまさにあの時代の日本を指しているようです(映画みてないけど)。
物の豊かさではなく、人と人とのつながりや家族の愛情。かつての日本人が持っていたそういう気持ちを、安倍首相は今取り戻そうとしています。

そこで中には疑問に思う人いるかもしれません。「じゃあ具体的になにやってるの?」、と。そう思うのは仕方がないと思います。なぜなら安倍首相は小泉前首相に比べてアイドル性が非常に乏しいからです。小泉前首相のように、流行するコピーフレーズを連発することもない。マスコミが一挙一動取り上げるわけでもない。そのためしばしば安倍首相は「顔の見えない首相」として揶揄されている。彼の不透明さと支持率は間違いなく関係しています。

では安倍首相は何をしているのか?実は色々しています。防衛庁を防衛省へ、教育基本法改正、そして戦後初の憲法改正に向けて躍進している。
特に憲法改正は今ニュースで頻繁に話題に上げられ、興味を持つ人も少なくないでしょう。小泉政権のスローガンが「構造改革」だったとしたら、安倍首相は「憲法改正」を掲げているといっても過言ではないと思います。
「顔の見えない首相が憲法を改正しようとしている」。これは非常に危険なことだとおもいませんか?改正される項目の中には第9条も入っています。
さらに改正後は自衛隊を「自衛軍」にすることも明言しています。
 
 国民投票法案が14日に可決されて(憲法改正の際、国民投票をするのだけど、その具体的な有権者が今まで決まっていなかった。だって一度も改正したことなかったもん)、有権者は18歳以上の全国民とされました。
 憲法改正の準備は着実に進み、それは目の前に迫っています。他人事ではありません。なぜなら憲法を改正するかしないかは最終的には国民投票で決まるから。それに向けて我々も、なぜ憲法改正する必要があるかをはっきりと知っておく必要があると思います。

今回は安倍首相(ってか自民党)がなぜこれほど憲法改正をしたがっているのか、すこし見ていきます。

まず、今の憲法はアメリカ軍によって作られたものであるということがあげられます。
少し話は変わりますが、イラン・イラク戦争でフセイン政権が終わったときのことを思い出してください。旧政権が終わり、新しい国づくりが始まりました。
しかしそこには国の決まりごと(憲法)が何もない。これから国を復興していかなければならない、しかしこのままでは無秩序。
そこで手を差し伸べてきたのが連合軍の長アメリカ。アメリカは自分たちが作った憲法をイラクに与えました。敗戦国に拒否をする権利は当然ありません。
でもそれってアメリカがイラクを手駒にするために、自分たちの主義を押し付けているようにも見えますよね。イラクを民主主義の下で独立させるというのが大義名文でも、もし50年間イラクがこの憲法に従っていたとしたら、その時イラクは独立しているといえるのでしょうか?
 それを日本に当てはめてみたらどうでしょう。戦後60年間一度も改憲しなかった日本は、イラクの未来を表してるように見えます。
 安倍首相はアメリカ寄りで、こびを売っているようにしていますが実は逆だと思います。今までの日本は歴史的背景が原因でずっとアメリカの子分扱いされていました。そのため戦後は外交的に不利な条件が何度も押し付けられました。
そこで安倍首相は憲法改正によって、はっきりとアメリカと対等な関係を持つことを願っています。親分子分の関係から、友達同士の関係へ。
真の独立を誰よりも願っているのです。


次の理由として今の憲法は時代に合っていないということです。
時代に合ってないというのは、流行から遅れているというような低レベルな問題でなく、日本が生き残っていけるかという重要な意味を含んでいます。

まず一番引っかかるのは問題の9条。問題は湾岸戦争あたりからはっきりしてきました。
1990年イラクのフセイン大統領が、隣国のクェートを侵略し、占領。これに対して、アメリカを中心とした連合国がイラク軍を攻撃。しかし日本は武力行使をすることが出来なかったので、多国籍軍には参加せず、代わりに130億ドルの援助をしました。
これには世界各国から非難の声が上がりました。戦争終了後クェートは支援した国に感謝を表す意味で新聞広告を出しましたが、その中に日本の名前はありませんでした。アメリカからは「多国籍軍の若者達が汗と血を流しているのに、中東の石油で利益を受けている日本は金を出すだけなのか」と言われました。湾岸戦争を通して日本は金で何でも解決する、という嫌なイメージが植えつけられました。

こうして「戦えない日本」という問題が浮上してから、それほどたたない内に、新たな問題が起こりました。
1998年8月、北朝鮮が実験のために発射したミサイルが、日本海を飛び越えて、岩手県三陸沖の海に落ちたのです。
これは北朝鮮による明確な武力による威嚇であり、「我々はいつでもミサイルで日本を攻撃できるぞ」という意味が込められていました。
次に起きたのは2001年12月、九州南西海域の東シナ海で、中国漁船を装った不審な船が発見されました。追跡する自衛隊護衛艦に対して、ロケット砲を発射したり、銃撃して抵抗しました。これは北朝鮮のスパイ船であったことが後に発覚しました。
 そして、まだ解決していない拉致問題。これらの問題に日本は何をしたのか。何もしていません。
ミサイルが飛んできても何も出来ない。スパイ船が来ても捕まえられない日本。日本人を外国の手から守ることができない。これらの事件から日本の弱さと柔軟性のなさがはっきりと現れてしまいました。そして日本の憲法を変える必要性が高くなっていきました。
2004年11月には、そのため「憲法改正大綱」を発表し、改憲の内容を明らかにしました。(以下参照)

・国民に国家の独立と安全を守る責務を持たせる。

・大量破壊兵器の廃絶を求め、日本は核兵器を製造せず、保有せず、持ち込ませないことを明記する。

・自衛軍を設置し、我が国を防衛するばかりでなく、国際貢献のための活動(武力行使を伴う活動を含む)も任務とする。

軍隊の設置を明記していますが、北朝鮮の諸問題を考慮すると妥当だと思います。さらに非核三原則を憲法に明記するなど、平和への積極的な意思を表しています。しかし国民に国防の責務を負わせているところはちょっとあやしい。
世論では第9条の第一項の戦争放棄の条文は維持しながら、第二項の戦力放棄の部分は書き換えて、自衛隊の存在を認めるようにしたらいいのではないか、という声が多くあります。

憲法9条に焦点を当てると何かと議論が必要ですが、その他の項目についてはどのように変えられるのでしょうか。いくつか見てみましょう。

・環境権など「新しい人権」を明記すべきではないか。

・法律が憲法に違反していないかどうか判断する憲法裁判所を新たに作ったらどうか。

・地方自治の規定を充実するべきだ。

など、時代や国民の声を大きく反映した項目が取り入れています。
これらは60年前では考えられなかった(また必要がなかった)問題です。しかし今の社会をよりよくするため、現代のニーズに合わせて取り入れられた法案だとすれば、非常に必要的であり、合理的であると思えます。

ここまで見てきて憲法改正をどう考えますか?「前例がない」ために今まで手を付けていなかった憲法。しかしそれも60年経てば様々な問題を隠すことはできないところまできていると思います。
例えば、ドイツは憲法制定後50回以上(もっとかな?)の改憲を繰り返しています。時代にあったニーズが必ず存在するからです。
それに比べて日本はどうでしょうか。武力の放棄を手放したいがために、一切の改憲を否定しています。
今生きている国民が、その国で生活しやすいように憲法を変えていく。
日本では非常識のように思えますが、これは先進国では当然の権利です。
丸腰の日本が、いつまでも丸腰でいいのでしょうか。憲法に無いからといって、なにかしらの人権が蹂躙されていいのでしょうか。
自分は憲法改正に対して非常に好意的です。不足したものを補うという行為は、当たり前のことだと思うからです。
もし憲法を改正して日本が軍事国家に進み始めたら?いやいや、そうなりそうな改憲ならば国民投票で反対すればいいのです。衆議院参議院3分の2の賛成が得られても、国民投票で過半数を超えない限り憲法は変わりません。
今日本は確実に憲法改正への道へ進んでいますが、だからこそどう変わっていくかを各々知らなければならないと思います(別に自分が詳しいわけではないが)。
初の憲法改正と言う超歴史的瞬間に自分が立ち会うとき、自分の意見をはっきりとした状態で投票に臨みたいと強く思います。


参考:「美しい国へ」安倍晋三
    「憲法はむずかしくない」 池上彰
    「戦えない軍隊」 半田滋
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by nozaki-kaoru | 2007-05-20 02:20 | エッセー