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さらら 風が吹いて  君の姿消えた


by nozaki-kaoru
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人生、それはわからん。しかし、世の中は、色と慾さ。

太宰の「トカトントン」より引用です。
今年も残りわずかですね。みなさんやりのこしたことはございませんか?
とりあえず、今年読んだ本は今年のうちに整理しとこうと思いまして、2006年最後の悪徳かいていきまーす♪♪
実家のパソコンは馴染まなくてつかいづらい・・・。


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・重松清の「小さき者へ」。題名だけきけば前回紹介した有島武郎の方を連想する人が大半でしょう。それに乗っかったんか、乗っかってないのか知らんけど、設定も父親が我が子にメッセージを送る内容。ただし、重松の方は息子に問いかける手紙の形。学校に行かず家庭でも母親に対して暴力を振るう我が子に、父親が毎晩手紙を書いていく。しかしその手紙が息子に出しているのか、書いたパソコンのワードに溜まっていっているのかははっきりしない。
「気づいてくれ、お父さんにもお前と同じ14才だったことがあったんだ」
年の違う親子が、ほんとうにわかりあうとは。信じあうには。そんな疑問にヒントをくれるような作品です。


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重松清の「舞姫通信」。前期作品、重松はかつての同級生を自殺という形で失った。その出来事から強く「いじめについてかきたい」という念が浮かび上がりj書いたのが本作。
舞姫とは、10年前校舎4階から飛び降り自殺した女の子の異名、「舞う」とは飛び降りる瞬間をあらわしている。教師である主人公がかよう学校ではかつて死んだ舞姫について、だれかが「舞姫通信」という書簡を生徒の机の上においていく。
自殺を理想とする生徒たち、生きる意味を問いただす教師、苦悩しつつもたどり着いた答えに、生徒たちの気持ちは動くのか?とまあ、結構前によんだから、細かい設定忘れてまーす 笑


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ジャン・コクトーの「恐るべき子供たち」サークルで客演指揮をしてくださった伊東恵司先生のお勧め作品です。若い子供たちはまだまだ未開で、善悪の判断がうまくできない。
同性愛、盗み、偽り、毒薬。全てが無垢であり、それゆえ残酷な子供たちの心と体を包んでいく。
天才ジャン・コクトー、どっちかというと映画で見たいかなーっておもったけど、きめ細かい心理描写が非常にうまくて、古典文学でもかなり楽しんで読めると思いまーす。


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武者小路実篤「愛と死」。70年前のラブストーリー。武者小路といったら。ポジティブで洗練されたアフォリズムが作品中意図的にちりばめられている印象が強いが本作も同様に、生きることのすばらしさ、恋することのすばらしさを歌い上げている。
ヒロイン夏子の性格がいかにも古き良き大和撫子といった感じで、最後死んでしまうのが辛かった。清水義範の「春高楼の」は夏目漱石のパスティーシュとばかしおもっていたけど、この作品からも多少影響うけているかな??


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テリー・ケイの「白い犬とワルツを」。30代の方々はちょい10年前ドラマでヒットしましたね。それの原作です。最愛の妻を失って余生一人で生きていく老人に、ある日どこからともなく白い犬が現れる。世話にくる息子や娘たちには見えない不思議な犬。子供たちは老人の頭がおかしくなったのかと心配するが、やがてその犬の姿を見かけるようになる。
妻を失った心の穴を白い犬がやさしく埋めていく。老人が亡くなるとともに消えていった白い犬。妻の生まれ変わりだったのか、昔なくした息子だったのか、最後はいくつかの謎をはらんだまま終わったが、全体に流れるやさしい文体、人々が心地よくて、リラックスして読めます。


人生、それはわからん。しかし、世の中は、色と慾さ。_f0002867_1564668.jpg
ヘミングウェイ「老人と海」。世界的文豪の代表作。年老い男が漁に出る。一匹も吊り上げられなくなって今日で85日。しかし老人は信じる、すぐに大物が引っかかると。
そしてついに巨大なカジロマグロが彼の釣り糸に引っかかった。早く吊り上げようとすると糸を切られるかも知れぬ。ゆっくりと機会を待って物にしてやる。
老人はそのカジキマグロを誇り高き友とし、何日も戦う。そんな生き様を力強い文体で書き上げている。
一度読んだだけではまだまだ消化しきれてないかなーって感じ。
30代になったらまたよもうっと。


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太宰治「ヴィヨンの妻」。人間失格、斜陽など晩期に書かれた作品は虚構の中にも太宰の持つ死の予感を感じ取ることができるが、これは、彼の人生全てでなく、家族を持つ父親としての代表作である。
短編集でほかに「親友交歓」「トカトントン」「父」「母」「おさん」「家庭の幸福」「桜桃」があったけど、晩期の総決算的作品と言われているわりにはかなり読みやすく、あんま慣れてない人にも楽しんで(?)読める作品集だったとおもいます。
久しぶりに人間失格読みたいなーって思った。斜陽は4回くらい読んだからもういいけど。

と、いうことで2006年読んだ本は以上でーす。来年こそ、中身のある本をたくさんよみたいです。モラトリアムもあとわずか、悔いないように美しい作品消化していきたいでーす♪♪
ではみなさん良いお年を~~~☆★
by nozaki-kaoru | 2006-12-31 15:22 | 最近読んだ本